デリバリーを始めたい飲食店はまず何をすべき?補助金があるって本当?

コラム

飲食店の中には、顧客獲得や売上アップのためにデリバリーサービスを検討している人もいるでしょう。しかし「届け出は必要なのか」「どのような準備が必要なのか」などがわからずに迷っている飲食店経営者も多いのではないでしょうか。ここでは、新しくデリバリーサービスを始める飲食店が知っておくべきさまざまな事柄について解説します。受けられる可能性のある補助金についても説明します。

デリバリーを始めるのに届出や許可は必要なの?

デリバリーサービスを始めるにあたって、まず気になるのは「届け出や許可は必要なのか」という点ではないでしょうか。現在の店舗で提供している食品と同じものをデリバリーする場合は、新たに届け出を出す必要はありません。ただし、デリバリーするものによっては新たに許可が必要になるケースもあります。例えば、次のようなものです。

・ケーキやアイスクリーム:菓子製造業・アイスクリーム類製造業などの許可が必要
・単体のハムやソーセージ:食肉製品製造業の許可が必要
・店舗で作ったパン:菓子製造業の許可が必要

また、以下のようなケースも許可をとる必要があるため、十分に注意しましょう。

・店舗で提供しているメニューとは違うものをデリバリーする
・営業許可をとっている店舗以外の場所で調理したものをデリバリーする

「どのケースでどの許可がいるか」は自治体によって異なり、必要かどうかの線引きが難しいものもあります。そのためデリバリーサービスを導入する際は、店舗のあるエリアを管轄する保健所に問い合わせて細かく確認しておくほうが安心です。

デリバリーを始めるのに必要な用意

デリバリーを始める際は、いくつか用意すべきものがあります。ここでは、準備をしておきたい3つの内容について詳しく説明します。

デリバリー用の容器

まず、必要となるのはデリバリーする料理やドリンクなどを入れるための容器類です。使い捨てのどんぶりや弁当容器を用意しましょう。使い捨て容器と一口に言っても、さまざまな種類があります。一般的には、「深さが十分にある」「ふたがしっかりと閉まる」といった点が重要です。なぜなら、容器が浅かったりふたがゆるかったりすると配達時にこぼれてしまう可能性があるからです。配達前にこぼしてしまっては、お客様からの評判が下がりかねません。スープやドリンクなどをデリバリーメニューに含めるときは、特に慎重に選びましょう。

また、容器だけでなく使い捨てのスプーンやフォークなどのカトラリー、割りばしや持ち運び用の袋も必要です。さらに、使い捨てのおしぼりもあるとより良いでしょう。使い捨て容器や袋類は、意外とかさばるため、保管しておくスペースを店内に確保することも忘れないようにしましょう。

配達人数

配達するには、当然スタッフも必要です。これには、主に次の2つの方法があります。

・すでに店舗で雇っているスタッフに配達もお願いしたり配達専門スタッフを新たに雇ったりする
・配達代行サービスを利用する

店舗に勤務している既存のスタッフに配達をお願いする場合は、現場の手が足りなくならないようにうまく調整する必要があります。新たに配達専門スタッフを雇う場合は、求人を出してすぐに見つかるとはかぎらないため、早めに行動することが大切です。「Uber Eats」や「出前館」などの配達代行サービスを利用すると、スタッフのシフト調整や新規採用の手間などがかからずに済みます。

費用は、運営会社によって異なりますが基本的にサービス代行料や配達代行料が必要です。初期費用は、必要なところもあればないところもあります。自前のスタッフで配達したほうが費用を抑えられると考える経営者もいるでしょう。しかし、自前で配達する場合、配達用のスクーターや自転車も用意しなければなりません。そのため、トータルでの費用対効果を考慮し配達代行サービスを活用することも選択肢の一つとして考えておきましょう。

配達用のスクーターや自転車

店舗のスタッフが配達する場合は、スクーターや車、自転車などが必要です。購入費用に加えて、スクーターや車は維持するためのランニングコストもかかるため、「何を何台用意するか」は慎重に検討しましょう。配達代行サービスにお願いすれば、これらの準備は不要です。

デリバリーを始める際の注意点

デリバリーサービスを開始するにあたって注意したいのが、「どのエリアを配達対象とするか」という点です。あまりに広い範囲を対象にしてしまうと、遠方から注文が入った際に受注から配達までにかなりの時間がかかってしまい、お客様の不満につながる可能性があります。自前で配達スタッフをそろえる場合は、「何人用意できるか」「配達用の車両は車・スクーター・自転車のどれにするのか」などをよく検討してエリアを決定しましょう。デリバリー代行サービスを利用するときは、サービス対象エリアをよく確認しておくことが大切です。なお、自前で配達用に車やスクーターを用意する際は、車両の保険料や駐車場代、駐車スペースなどについても考えておく必要があります。

衛生管理についても、細心の注意が必要です。店舗とは違い、注文したお客様は調理されたものをすぐに口にするとはかぎりません。場合によっては、自宅に届いてから数時間後や翌日に食べることもあるでしょう。万が一、お客様が食中毒になってしまうと店舗の営業停止命令や営業禁止処分を受けかねません。特に、夏の暑い時期は保冷剤や保冷ボックスを利用するなど、適切な対応をとるようにしましょう。

助成金がもらえるかも!「IT導入補助金」

デリバリーサービスを開始するにあたり、集客ツールの導入を検討する飲食店も多いでしょう。ITツールを利用した場合、「IT導入補助金」を受けられるケースがあります。ここでは、「IT導入補助金とはどういったものか」について詳しく説明します。

「IT導入補助金」とは

IT導入補助金とは、中小企業や小規模事業者を対象に、業務効率化や生産性向上をサポートする目的で政府が行っている補助金制度です。店舗の課題解決やニーズに合わせて、ITツールを導入した際に「IT導入補助金」の交付が受けられます。補助されるのは、IT導入にかかった費用の50%です。「どのようなITツールを導入すべきか」は業種によって異なりますが、飲食業であれば集客や業務の効率化、外国人集客などに関するITツールの導入を検討すると良いでしょう。

飲食店がデリバリーサービスを開始する際に導入するなら、口コミに強い「LINE@」や豊富な機能を搭載している店舗アプリ作成サービスの「アプリンク」などが役立ちます。アプリンクについては、あとで詳しく解説します。

申込みから受け取るまでの手順

IT導入補助金を受ける場合は、ITベンダー・サービス事業者と共同で申請手続きを行う必要があります。大まかな流れは次の通りです。

1.ITツールを選択
2.交付申請
3.交付決定後、ITベンダー・サービス事業者がITツールを納入
4.飲食店側は、ITツールを活用した事業を実施
5.飲食店が事業実績を報告し交付手続きを行う(IT事業者はサポート・フォロー)
6.補助金額決定、支給

交付決定の連絡が来るまえにIT事業者と契約し、支払いを行ってしまうと補助金の交付対象とならないため注意しましょう。

要チェック!市町村からの支援があることも

コロナ禍により、飲食業が厳しい状況となっているため、複数の自治体が独自の支援策を実施する動きがでています。例えば、以下の自治体や商工会議所で市内にあるテイクアウト、デリバリーサービスに取り組む飲食店やホテルの情報を発信するサイトなどを公開するなどしています。

・京都府京都市:「京商支援サイト」
・茨城県水戸市:「#テイクアウトミト」
・宮城県仙台市:「テイクアウトはじめましたプロジェクトin仙台」
・神奈川県横浜市:「テイクアウト&デリバリー横浜」

店舗がある地域の自治体でも支援策を実施していないか、確認しておきましょう。

デリバリーをスムーズに始めてその後の売上にも繋げるなら

デリバリーを始める際に、検討したいのがデリバリー代行サービスの利用です。そのほかにも、「店舗アプリ」という選択肢があります。ここでは、店舗アプリがどのように役立つかについて解説します。

店舗アプリは「顧客の固定化」を期待できる

店舗アプリの導入は、店舗にさまざまなメリットがあります。例えば、プッシュ通知機能を使うことでお客様へ常に最新の情報を届けることが可能です。デリバリーサービスを開始したことをお知らせしたり、お得なメニューを紹介したりすることで「ちょっと利用してみようかな」などユーザーの潜在ニーズを引き出せるでしょう。また、クーポンを配信すればユーザーの購入意欲を高めて、来店やデリバリーサービスの利用に結びつくことも期待できます。さらに、ポイントシステム機能を使うことで利用するだけお得になる仕組み作りができ、ユーザーのリピートが見込めるようになるでしょう。

デリバリーサービスを導入するなら「アプリンク」

店舗アプリには、さまざまな種類があります。その中でも、デリバリーサービスを導入するなら店舗アプリ作成サービスの「アプリンク」が適しているでしょう。アプリンクは、先述した「IT導入補助金」の対象にもなっています。一般的に、店舗アプリの導入は多額の開発費用がかかりがちですが、アプリンクを使えばコストを抑えて高品質の店舗アプリを手軽に導入可能です。コンシェルジュによるサポート体制も充実しているため、「導入してみたものの、うまく使いこなせず無駄になる」といったことも少ないでしょう。予約注文や事前決済などの機能も搭載されているため、テイクアウトやデリバリーサービスの実施にも大きく役立ちます。

デリバリーサービスを開始したことをお知らせするチラシデータも配布中のため、広く周知できるのも大きな魅力です。また、デジタルチケット機能を使えば定期券が発行できるため、サブスクリプションサービスを実施することもできます。例えば、「月額3,000円で月に1回おすすめメニューをデリバリーでお届けする」など、飲食店によってさまざまな方法で利用できるでしょう。サブスクリプションサービスは、毎月一定の収入が見込めるため、売上の安定につながります。新しいサービスの導入を検討しているのであれば、ぜひアプリンクをチェックしてみましょう。

テイクアウトやデリバリーに参入して売上げを安定させよう

新型コロナの影響を受けて、多くの飲食店がデリバリーサービスの導入に乗り出しています。サービスがうまく機能すれば、店舗の回転率に関係なく売上を伸ばせるだけでなく、知名度を上げて新規顧客をつかむことも可能です。アプリンクなどの店舗アプリを導入して、さまざまな機能を活用することで効率的にデリバリーサービスを提供できるようになります。デリバリーサービス導入を店舗経営の好機とするためにも、上手に活用しましょう。

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